技術にゃんこの混ぜご飯

関東某所でエンジニア・プログラマ生活を送るブログ主がチラ裏メモを放り込む場所

【連載】自己実現の欲求 - マズローの自己実現理論をITエンジニアで考える

はじめに

自己実現の欲求とはアイデンティティが確立した後、自分ならではのことをしたいという欲求です。ここでは『エンジニアとして自分のやりたいことをやっていたい欲求』と定義します。

あえて賛否両論となる例を書いていきます。上記のWikipediaの『誤解』に書かれている点に触れるためです。

自己実現を達成するということは自己を確立し、達成するということです。自己を確立するということは今まで不定形だったものを決まった形にするということです。その形が今いるコミュニティの型にはまらなければ、自己実現を達成したい人はコミュニティを去る可能性があります。

つまり自己実現を達成した者=自己実現者は、自己実現にとって不利益となる既存の人間関係や習慣に対して反発します。これは決して悪いことではないのですが、社会的にそれが受け入れられるかは環境によるのではないでしょうか。

自己の適正範囲とその拡張

  • 失敗例
    あるところにRubyが好きで好きでたまらないエンジニアがいた。彼はある企業に所属していたが、そこは他の言語の案件も扱っていた。彼はRuby以外の案件となると途端にサボり始め、適当にしか仕事をしなくなる。バグが多くなるといった実害はないが、見ていて気持ちの良いものではない。
  • 成功例
    あるところにRubyが好きで好きでたまらないエンジニアがいた。彼はある企業に所属していたが、とうとう我慢し切れなくなりフリーランスになった。彼は日々、Rubyの案件を捌いている。その出来は非常に良いため、業界ではちょっとした有名人だ。

Rubyのところは適当に置き換えて下さい。

失敗例ですが、もし会社に積極的にRubyでの自社開発を進める余裕があるか、積極的な営業をして案件を確保するかすれば、お互いに利益のある関係を築けた可能性はあります。

成功例ですが、もし彼がRubyが大好きなだけで実力が伴わないITエンジニアだったら、このように上手く話が運ぶことはなかったでしょう。 ITエンジニアにおける自己実現者は自分が認めた以外のことをしたがりません。

それは例のようなプログラミング言語かもしれませんし、最先端のIT技術かもしれませんし、ゲーム作りかもしれません。人それぞれです。

問題があるとすれば現在勤めている会社が、自己実現の達成を目指すITエンジニアに対して適した仕事を供給できるかです。

最先端のIT技術であればまだ何とかなりますが、ある言語や限られたプラットフォームだけに適正を見出してしまうと大変です。

ITエンジニアはまだ自己が形成される前に、より広い視野で物事を捉え、できる限り多く適正を持てるようにした方が生きやすいのではないでしょうか。まだ間に合う方は積極的に適正範囲を広げられるよう、様々な技術や仕事に触れてみてはいかがでしょうか。

もちろん広く浅くなることはデメリットになってしまいますから、上手く折り合いは付けた方がいいと思います。

自己実現と組織

ある組織に所属し秩序に従うことと、自分の好きなエンジニア生活を送ることとが、利害が一致しない場合に衝突するのは先述の通りです。

この欲求はある企業に所属し続ける以上、どうしても頭打ちになる欲求です。自分のやりたい案件が、都合よく会社に降ってくるなんてことはまずありません。やりたいこと以外もやらなければいけない時だってあります。

仕事を選べる身分にでもならない限り、組織の中ではどうしたってただのワガママです。それが我慢ならないのなら、フリーランスか社長にでもならないと厳しいのではないでしょうか。

自己超越の欲求

一般的に倫理の時間にはマズロー自己実現理論は5段階までと教えられますが、マズローはその上に『自己超越』という段階を付け足しています。

解説を読んだんですが、これはもう聖人か聖母かという人格者の域ですよね。前述の自己実現者が社会適合能力を身に付けたのか、適正のままに生きれる場所を見つけたのかは分かりませんが、残念ながら私には理解を超える概念でした。

自己超越の域に達したITエンジニアをお目にかかったことがないというのも理由の一つです。マズローは人口の2%程と考えていたようですが(仮に2%だとしても)、ITエンジニアでこれを実現できる人は果たして何人に1人なんでしょうか。

もし実在するのであれば一度、お会いしてみたいものです。もし会えたと思ったら記事を追加・更新すると思います。

おわりに

あなたは今のコミュニティで自己実現が達成できそうですか?

できそうにないとしたら順応しますか? それとも他のコミュニティを探す旅に出ますか?